物納とは

国の税金は現金で納付するのが原則となっていますが、相続税については、その金額がかなりの高額になることも多く、家庭の事情でただちに現金が必要なために、現金として税金を支払う余裕がない場合もあります。このような場合には、法令などによる一定の条件はありますが、税務署の許可を受けて、相続税を物で納付する「物納」という方法をとることが可能です。
物納ができる財産は、相続税の課税対象に含まれている財産であって、日本国内に所在しているもののみとなります。
財産の種類や順位についても決まりごとがあり、第1順位には国債・地方債、不動産、船舶が、第2順位には社債、株式、投資信託などが、第3順位には動産が該当しています。例えば、相続税の対象となる第1順位の不動産があるのに、将来値上がりしそうだからといって物納せず、代わりに第2順位の株式を充てるようなことは認められません。
また、物納には不適格な財産も存在しており、種類と順位に誤りがなければすべて物納ができるというものでもありません。例えば、住宅ローンの担保として担保権が設定されているような建物や、隣接地との境界が確定していないような土地などがこれにあてはまります。

延納した際の影響

国の税金は定められた納期限までに現金で支払うのが原則であり、その期限を過ぎてから税金を納める場合には、その遅れた日数分に応じた多額の延滞税がかかることになっています。
しかしながら、相続税については、もともと納付すべき金額がひじょうに大きくなることが見込まれ、一括して現金で支払うのが現実的に困難な場合がありますので、特別に「延納」と呼ばれる分割払いによる納付が可能となっています。
この「延納」をしようとする場合には、相続税の申告期限までに、申請書その他の関係書類を所轄の税務署に提出し、申請が認められる必要がありますが、それにはいくつかの条件が付いています。
その条件としては、相続税額が10万円を超えており、延納対象となる税額が現金での納付が困難な金額の範囲内であって、さらに延納税額に相当する有価証券や不動産などの担保を提供することが必要とされています。
こうして延納が認められた場合であっても、相続財産中に不動産が占める割合などによって、毎年「利子税」とよばれる税金が余分にかかることになっており、税率は最高の場合で年6.0パーセントであることから、トータルの納付金額で見ると、後々にかなりの影響が及ぶ可能性があります。

納税の手続きにつちえ

相続税の納税手続きは、所得税などと同様に税額を申告した後に税を納める形になっています。申告と納付の期限は、被相続人の死亡などによって相続が開始されたこと知った日の翌日を起点とし、ここから10ヶ月が経過した日となっています。
相続税の納税のための作業を本格化させるのは、基本的には遺産分割協議の内容がまとまった後になります。協議の内容に従って遺産を分割し、個々の相続税の納付額の計算を終えたら、被相続人が死亡した時点で住所地となっている場所を管轄している税務署に申告書を提出します。
相続税の納付は、税務署、金融機関、郵便局の窓口で行うことができます。納付は現金で一括して行うのが原則となっていますが、一括納付できるだけのお金が無い場合、要件を満たしていれば、延納と呼ばれる分割納付の形式や物納と呼ばれる相続財産を直接提出する形式を利用することができます。
なお、遺産分割協議の内容がまとまっていない場合であっても、相続税の申告と納税は期限までに済ませなければなりません。遺産分割が終了していない場合は、相続人が被相続人の財産を法律の規定にしたがって取得したと仮定した場合の税額を計算して申告書を作成して納税をすませます。その後、遺産分割協議の内容がまとまった段階で、税額を修正する必要が生じた場合に、修正申告や更正の請求の制度を利用して、正しい税額に修正します。

財産の評価減における判定要素

財産の評価減とは、相続の発生で固定資産の評価をする際に、評価額が減額されることです。財産の評価減対策をしておくと、相続税の節税になりますので、評価減となる判定要素をご紹介しましょう。
まず、「小規模宅地等の特例」についてですが、これは相続や遺贈で土地を取得した場合に、その土地に被相続人が自宅として住んでいたり事業に使っていた小規模な宅地があった場合に、宅地の評価額を減額するものです。対象面積によって、80%もしくは50%減額になります。事業の継承や居住の確保のための特例ですので、取得した親族が引き継いで利用していることが適用のポイントとなります。相続税の申告期限までに、遺産が分割されていない場合には特例の適用は受けられません。複数の宅地がある場合には、どの土地に特例を適用させるかを選べますので、有利になるように選びましょう。
賃貸物件を購入・建築した場合にも、土地・建物の評価減があります。建物は固定資産税評価額で評価しますが、通常建築費用の70%程度の評価となります。賃貸物件なら借家権割合の評価減を受けるため、建物の評価は約50%となります。土地についても、更地に比べて約20%の評価減となります。

生前贈与のメリット・デメリット

生前贈与とは、死亡した時の相続税負担を軽減するために早いうちから資産を子どもたちに贈ることで財産を圧縮する方法です。
通常の相続税計算(死亡時に相続税を計算する場合)は、財産額から基礎控除を引いた課税遺産に対してかかります。
例えば、資産が1億5000万円ある場合、子供が3人いると、基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人数」となり、課税遺産は、1億5000万円ー4800万円で、課税遺産は1億400万円になります。
一方、生前贈与をすると、1年間に同一人が使える基礎控除は110万円であるものの、10年間し続けると課税遺産が圧縮できることが分かります。
上記と同じ事例で、子供が3人いた場合、毎年120万円贈与すると1年間で総額3600万円を贈与することになります。
これを資産から控除していくと、1億5000万円ー3600万円(贈与)ー4800万円(基礎控除)=6600万円となり、課税遺産が圧縮できていることが分かります。これが大きなメリットになります。
なお、贈与を受けた人は年間110万円を超えた場合は、贈与税を確定申告する必要があります。
生前贈与をする際に気をつけなければいけないのは、名義預金と言われるもので、親が子供の名義で黙って貯金を作ることがありますが、これは贈与(贈る側と受ける側が合意して初めて成立する契約行為)には当たらないため、将来税務署から否認される可能性があります。これが大きなデメリットになります。

節税方法とは

遺産分割とか相続とかで、節税というと何か違和感が残りますが、相続財産をもらったものの、多くの税金で悩まされることもあので、節税と言うよりは、正しく税金を納めるという意味で、正税の方法を勉強しておくことはとても大事なことなのです。
土地や家に関して、同居の配偶者の場合は特典があることはご存知の方も多いと思いますので、それば税務署のガイドに任せるとして、土地の形状や状態で恩典があることは知らない人も多いようです。相続の土地については、普通の場所に正方形か長方形の土地があることを前提として、路線価で計算することとなっています。路線価と売買価格の関係などは別の論議として、普通の場所と言うのは、土地の周辺に崖があったりする場合は、わかりやすく表現すると評価が割引になるということです。また、同じく三角形の土地は使い勝手が悪いので、正方形とか長方形の場合と比較して無駄なスペースは割引対象になるというものです。また、評価に値するために土地の整備が必要であれば、そこを整備するための費用も評価からマイナスできるという仕組みになっています。
これらは、評価金額としては馬鹿にならない額になるので、一度計算しておくのがいいでしょう。

土地の相続と生命保険 

ある人物が死亡した際、その人の財産は相続によって継承されていくことになりますが、相続をするにあたっては金額に応じて相続税が課せられることになり、相続人は相続税を支払わなくてはなりません。
相続人が受け取った財産が現金や預貯金である場合には、そのお金で相続税を納付することができますが、問題なのが相続で受け取った財産が自宅や土地などの不動産の場合です。もしも、相続税を納付できるだけの現金を用意できない場合、せっかく相続した不動産を処分し、その代金で相続税を納付しなければならなくなります。そのようなケースでは自宅や土地を手放すことになってしまうため、今後の生活に大きな支障が出てしまいます。
そのため、現金や預貯金が十分な金額ではなく、不動産が相続財産として大部分を占めている場合には、相続税対策として被相続人が生前に生命保険加入しておくといった手段があります。被相続人が生命保険へ加入し、保険金の受取人を相続人にしておくことで被相続人が死亡した際には相続人に死亡保険金が支払われることになり、その保険金で相続税を納付することができるからです。
また、生命保険の死亡保険金は法定相続人の数に500万円をかけた金額までは相続税が課せられないというメリットがあるので、その点でも相続税対策としてはとても効果の高いものとなります。

相続税の計算方法

相続税の計算方法は、以下のとおりです。
まず、財産から「非課税財産」「負債」「葬儀の費用(債務控除の対象となる物)」を引いた物が遺産額となります。
その遺産額と、相続が始まる前3年以内に贈与された財産を合わせた物が課税価格となり、その課税価格から基礎控除を引いた物が、課税される遺産の額となります。
そして、法定相続人が複数いる場合は、課税される遺産の額を法定相続人の数で分配します。
分配された課税遺産の額に税率をかけてそれぞれの税額を算出したうえで合計し、総額を算出します。
その総額を実際の相続割合で分配した後、税額控除を引いた物が正確な納税額となります。
このように、ややこしい仕組みになっていますが、基礎控除の額が大きいので、それなりに資産がある人でないと相続税の対象にはなりませんでした。
ですが、基礎控除の額が変更されたため、対象者の範囲が広がりました。
2014年12月31日までは、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」となっていたので、相続財産が6,000万円までなら税金を支払う必要がなかったのですが、現在は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」となりました。
つまり、相続財産が3,600万円を超えると税金が発生するということです。

相続税と財産

相続税とは、相続又は遺贈する事によって、財産を取得した場合に課税されます。
申告書を被相続人の住所地を管轄する税務署に、相続開始日の翌日から10ヶ月以内に提出してから、支払いましょう。
ただし、基礎控除と言うのがあり、遺産の評価額が基礎控除以下であれば申告も必要なくなります。
また、相続財産には、相続税の課税対象になる物とならないものがありますので、注意しましょう。
亡くなった日に被相続人が所持している、お金に換算出来る物は課税対象です。
土地や家屋、現金や小切手、預貯金に有価証券、ゴルフ会員権や著作権、貸付金や売掛金などがあります。
他にも、自家用車や絵画などの家庭用や実質的に被相続人の所有と考えられる、家族名義の預貯金や有価証券などです。
被相続人の死亡がきっかけで得た生命保険金や、死亡退職金も課税対象になります。
相続や遺言などで相続開始前の3年以内に得た、未払いの被相続人から贈与された物です。
非課税の財産は、香典や墓地、花輪代や墓石、神棚や仏壇、仏具に位牌などの、日常礼拝している物になります。
国や地方公共団体、特定の公益法人に寄付した場合も、非課税です。
相続税には、色々な控除がありますし、それを計算する事によって非課税になる事もありますので、気になる人は会計士や税理士などの専門の機関へ相談して下さい。